Silent Space | 音で音をかき消す壁置きスピーカー
SoftSound社は、ノイズを環境音でマスキングするデバイス”Silent Space”をCES2019へ出展する。
オフィスでの作業効率を上げるソリューション
作業に集中したいときに、周囲の会話の内容に気を取られてストレスがたまるという経験はないだろうか。とくに他のメンバーと空間が連続している職場だと、このことが会社全体の作業効率を落とす原因になりかねない。こうした問題を解決すべく開発されたのが、SoftSound社の”Silent Space”である。
音で音をマスキングする
”Silent Space”は、周囲の音量に合わせて環境音を流し、遠方での会話の内容や雑音を判別しづらくする装置である。装置には周囲の音量を測るセンサーがついており、リアルタイムで環境音を調節しながら快適な作業空間を提供する。環境音は遠方の音のみマスキングするように設定されていて、近くのメンバーとの会話は問題なく行える。
なおこの環境音は、波の音などの自然の音のように特定の情報量を持たないため、しばらく聞いていると意識に上がらなくなる(心理学的には、選択的注意という)。
「情報マスキング音」の他の導入事例
この技術は、会話の内容の聞き取りを阻害することから、プライバシーや機密情報を保護するためにも用いられている。たとえばヤマハ株式会社のスピーチプライバシー機器『VSP-1』は、まさにこの観点で作られた製品だ。(参考:https://sound-solution.yamaha.com/products/speechprivacy/vsp-1/index)
より一般的な例を挙げると、レストランやカフェのBGMはマスキング音である。店の雰囲気を作るためだけではなく、他のお客さんの会話や店の前の交通の音をマスキングするためにもBGMは使われている。
”Silent Space”に学ぶ技術革新
上で述べたように「情報マスキング音」は社会の裏方として昔から活躍してきた概念だが、従来のように環境音を流しっぱなしにするのではなく、コンピュータで制御して「オフィス内」という限定した目的に対して最適化するというのは、まさに科学技術のなせる業であろう。コンピュータや人工知能を上手く活用すれば、世の中にあふれる「先人の知恵」の多くは「最先端の技術」へと発展させられるのかもしれない。
このように、CESでは毎年最新プロダクトが4000以上の参加企業から出展されており、全てを追いかけるのはなかなか難しい。
そこで、例年のCESの動向や投資に関する情報、最新の技術などを知りたい方々には、弊社発行の「CES 脳科学企業レポート」をおすすめしたい。
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CES出展企業 公式サイト
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